2013年08月24日

グローバル環境でのコミュニケーションの方法「日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方」とは?


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最近、仕事でアメリカ人、中国人、インド人と協業することが増えてきました。
グローバル化の流れの中で、今後は、もっと世界の人と仕事をする機会が増えるのではないかと思っています。
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北山公一さんの書籍『日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方』は、日系企業出身の著者が15年間のグローバル企業勤務で必死になって身につけた人を動かす主張の技術を記したというものです。
英書名は、”Communication skills for Japanese to survive in the world”です。「サバイバル」です。


第1章では、世界標準のコミュニケーション7つ基本ルールが紹介されています。

1 多様性    「お互い違うのが当たり前」がスタート地点
2 リスペクト   相手の価値観を尊重することから始める
3 リアクション  会話で間があくのは放送事故だと思え
4 理由     「なぜ」好きか、「なぜ」嫌いかをはっきりさせる
5 主張     言いたいことは必ず口に出せ
6 二者択一   返事には「イエス」か「ノー」しかない
7 自立     世界標準のコミュニケーションが生まれる背景


特に、多様性、リスペクトの項に書かれていることが、突き刺さりました。
日本で仕事をしていると、日本という同じ環境で同じ価値観で働き、「あ、うん」の呼吸で仕事することが可能ですが、グローバル環境ではそういうわけにはいかないようです。

自分の常識と他人の常識は違うというのが当たり前という前提で仕事をする必要があります。
ここが世界標準のコミュニケーションの「スタート地点」といいます。

次に、そのお互いの価値観の違いを認めた上で、相手の価値観を尊重(リスペクト)します。自分と異なる価値観への尊重が必要といいます。

以前、インド人の同僚と話をした時に、インドの地域によって宗教による食事制限や、親や周囲による結婚の制限が強さが違うという地域差があると聞き、私が「進んでいる地域に住んでいてよかったね」と言ったら、「進んでいるとか遅れているとかではなくて、ただ考え方が違うというだけ」と言っていて、すごく印象に残りました。これはインド国内の話だけれど、同僚は自分と価値観の違う地域のことをちゃんと認めているのでした。

世界においての価値観の違いは、もっと大きなものがあると思われます。
それぞれの価値観を認めた上でのコミュニケーションを心がけたいものです。

ちなみに、英語の「違う」differentは、単に「異なる」という意味しかないそうです。日本語だと「違う」と言われると「間違っている」ニュアンスにとられることがあると思いますが、英語では、ただ「あなたの意見は(自分とは)違う」という意味でしかないのだと言います。

アメリカでは、自己紹介の時に「What makes you different?(あなたはどこが違うの?)」と聞かれるのだそうです。これはアピールポイントを聞く決まり文句だそうです。

人と違っていることはいいことだ、人と違っていることをポジティブに考えていることが分かります。違いは、尊重すべき差異や個性といえるのです。

本書では、この価値観の違いを認め、リスペクトすることをコミュニケーションのスタート地点として、具体的な話し方、会議術、メールと電話の使い方について記述されています。「あるある!」同感する部分と、「へー、そうなんだ」と新鮮に間実部分がありました。業種や会社によっても異なる部分もあるのかと思います。

この本を読めば、一通りグローバル企業でのコミュニケーションのノウハウが分かるようになっています。
著者がグローバル企業に15年かけて勤務し得たノウハウを知ることができるのは貴重です。グローバル環境で生きていくためにコミュニケーションの方法を知るおすすめの一冊です。

付録に、グローバル企業で好まれるフレーズ、グローバル起業のことがよく分かるブックガイドがあります。
フレーズ集は、5つしか掲載されておらず、少しがっかりしましたが、逆に15年の経験で厳選された5つと考えると本当に使えるフレーズといえるでしょう。



本書はレビュープラスさんより、お送りいただきました。ありがとうございました。





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タグ:北山公一
posted by ホッシーナ at 12:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 本 ビジネス書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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