桂由美さんの半生と仕事の美学が書かれた本です。
読んで分かったのは、桂由美さんはブライダルの世界を切り開いてきた、まさにパイオニアなのだということ。
ブライダルという単語が一般的ではなく、結婚式といえば和装が主流だった頃、ウェディングドレスを着るという文化を創り出してきた方なのです。
photo credit: Sean Molin Photography via photo pin cc
そのバイタリティがすごい。
世界各国のブライダル事情を研究するために、1年間世界を視察。渡航ビザを取るために「報道」の特権を得ることを考え、『女性自身』の特派員として記者証を発行してもらったのだそうです。
そして、取材したのは、オードリー・ヘップバーンやグレース・ケリーだったといいます。
幼い頃、おとぎ話の世界が大好きで、美しいドレスに憧れていたそうです。
多くの女の子はおとぎ話が好きですが、どうしてもそれを続けたいと、ウエディングドレスに熱烈な恋をし、思い続け、脇目もふらずにやってくることで一流になれたといいます。
恋する対象が見つかれば、それだけでチャンスを掴んだと言えるのです。
ここからは、ぐっときた部分を抜書きします。
「利益とイメージアップと、どちらかを選ばなきゃいけない時は、イメージアップを選んでね」
(時々、出てくる桂由美さんのお母さんのエピソードが印象的。これは、お母さんの教え)
才能とは英語でギフト、贈り物という意味があるように、「神がその人に与えた贈り物」です。
しかし、センスは神からの贈り物ではありません。
だからこそ、自分で磨けるのです。
本当の国際人と言われる人は、自分の国に誇りを持っています。
独自の伝統と美意識をアピールしてこそ、世界基準となるのです。
ふと気を抜いた、その姿さえ美しい。
そのときあなたは、本物の美しさを手に入れているのです。
誰にでもわかるような美しさ、大勢に受けるかわいさを目指すのではなく、わかる人にしか分からない美、
ブランド力を目指す。
人の目は誤魔化せても、自分の目は誤魔化せません。
本当に「パーティ上手」とされる女性は、「壁の花」になっている人を見つけた時、その人に話しかけるのではなく、話が合いそうな人を連れてきて紹介するのだそうです。
出会いの場を作る人は、幸運を運ぶ人。
そんな女性のまわりには、ますます人が集まってきます。
「日本のブライダルショーを変えるショーに出て下さい」
(初めてのブライダルショーに、スター7人の人に出てもらった時の依頼の言葉。日本の結婚式を変えたいと願っていたため、このような依頼になったといいます。)
私は、この先、恐らくウエディングドレスを着る機会はないと思うけど、桂由美さんのドレスに、無性に興味が湧いてきてしまいました。
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タグ:桂由美