世界の国のものがたりの紹介のページ
イラストがかわいい。子供達は結構読み込んでいる。
星の王子様は、何冊か
最後に「大人のための訳者のあとがき」があり、これがいいのです。
(略)子供が読んでぜんぶわかるとか、大人が読んでもおもしろくない、という意味ではない。子供にも訴えるが、子供には読み尽くせない、大人だって読み尽くせない。ぼくはこれを50年前から読んできたし、翻訳もしたけれど、それでも作者の言いたいことがぜんぶわかったとはとても言えない。
これはそういう不思議な本だ。
幼い時に出会って、ずっと読み続ける本。
(略)
そういう部分を省いて、言い回しも少し変えて、幼い子がすらすら読める特別版を作ったらどうか、というのがこの本を作った意図である。だからこれは元の文章に忠実な翻訳ではない。
もともと翻訳というのは読んでいたものを自分なりの文章で改めて書くことだ。その途中でテクストは訳者の心の中を通過する。
(略)
だから、これで王子さまと親しくなった子が少し大きくなったら、理解する力がついたら、その時は元のままの版を手渡してやっていただきたい。
ぼくとしてはともかく子供がこのすばらしい本と間違いなく出会えるようにと、それを考えただけなのだから。
いつだったか忘れたけど、確か私が初めて読んだ時、なんだか取っつきにくくて、そんなに面白くない話という印象を持ったような記憶があります。
この絵本は、まったくそんなことはなく、振り仮名が振ってあるので、子供もひとりで読めて、息子は一人で夢中になって読んでいました。池澤さんの意図するところは達成されているようです。
なんといっても、あとがきにあるように、星の王子様という物語に対する思いを感じるし、子供に対する思いを感じます。子供だったら、どう読むか、どう感じるかという子供の目線にたって作られた本です。
こういう本が存在することを、とてもありがたく感じます。
子供たちにとって、大切な一冊になりそうな予感がしています。
こちらも気になる。池澤夏樹さん訳。
世界地理の基本は、この絵本で完璧!
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